少子化対策は効いた。それでも出生率は戻った──少子化は、なぜ止まらないのか

少子化対策

少子化は、なぜ、止まらないのでしょうか。

チェコという国の話から始めます。

一九九九年、この国の出生率は一・一三でした。今の日本より低い。

そこから、国は手を打ちました。
産休を長く。育児休業を三年に。手当を厚く、医療を整える。

数字は、上がりました。二十年かけて、一・六台まで来ました。
そして二〇二一年、一・八三。

——コロナの前、チェコは一・六台でした。

今は、一・二八です。

消えました。

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00:00 チェコという国の話
02:11 なぜ、届かないのか
04:29 見えない補助金
05:50 その労働が、市場へ出た
06:49 縮まない時間
10:07 答えを言います
11:03 三つ、間違えないでください
13:41 生涯賃金という数字
16:07 外部には、順序があった
17:55 外部は、私たちの中に移された

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■ この回で使った数字

・日本
 二〇二五年の出生数は六十七万一千二百三十六人、
 合計特殊出生率は一・一四。
 厚生労働省「人口動態統計」(概数)二〇二六年六月三日公表。

・チェコ
 一九九九年に一・一三。二〇二一年に一・八三。
 ただし二〇二一年は、ヨーロッパの多くの国で出生が一度跳ねた年です。
 その前の水準は一・六台で、現在は一・二八。

・フィンランド
 二〇一〇年に一・八七、二〇一九年に一・三五、二〇二五年に一・三〇。
 二〇二四年の一・二五からは上向いていますが、
 コロナ前の最低値には、まだ届いていません。

・コーホート出生率
 一人の女性が生涯に何人産んだかを、その世代ごとに数えたもの。
 毎年発表される合計特殊出生率と違い、一生が終わるまで確定しません。
 フィンランドの一九九〇年代前半生まれの見通しは、一・四八〜一・五六。

・生涯賃金
 学校を出て六十歳まで働き続けた場合の推計。
 男性で高校卒二億一千五百六十万円、大学卒二億六千二百八十万円。
 差は四千七百二十万円。

・交際の状況
 交際相手のいない未婚者のうち、
 相当数が「交際を望んでいない」と答えています。

■ この回で、どこまでが通説か

統計の数値は、いずれも公的機関が公表しているものです。
期間出生率とコーホート出生率を区別して見ることは、
人口学では標準的な扱いです。

「縮められるのは、数えられる時間だけである」
「資本主義は、計算できない人間の領域を侵食している」
「外部には順序があった——地理、家庭、将来世代、そして生命」
——この三つは、私自身の主張です。

■ 誤解されそうなことを、先に

子どもを産まない人を、責めていません。
産むかどうかは個人の自由であり、産まない選択は尊重されなければならない。
この動画は、少子化を個人の責任にする見方を壊すためのものです。

女性が働くようになったことが原因だ、とは言っていません。
家庭の労働に価格がついたのは、正しいことでした。
それまで払われていなかったものに、値札がついたということです。
昔に戻れ、という話ではまったくありません。

政策が無駄だとも言っていません。
チェコは実際に一・一三を一・八三まで押し上げました。効いたのです。

原因が一つだとも言っていません。
結婚する時期、健康、住まい、親になる世代の人数。どれも効いています。
この回で特定したのは、原因の全体ではなく、
なぜ対策のほうが届かないのか、という一点です。

なお、この回では移民政策、年金制度、労働力人口には触れていません。
避けたのではなく、一本で一つだけ壊すという規律のためです。

■ もっと深く

『資本主義の時間構造』(近刊)第1章
 この回の内容を、より詳しく論じています。

■ このシリーズについて
(共通ブロック)

#哲学 #少子化 #資本主義

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