なぜ少子化対策は、子どもを増やさないのか【人口学 × 財政学】

少子化対策

2024年、日本で生まれた子どもは、およそ68万6000人。統計開始以来、初めて70万人を割った。
同じ年、こども家庭庁の予算は7.3兆円で過去最大。予算は増え続け、子どもは減り続けている。

この矛盾を「少子化だから仕方ない」で片づけてはいけない。
出生数を人口学の3要素に分解すると、崩れているのは「夫婦が産む数」ではなく「結婚そのもの」だった。
にもかかわらず、7.3兆円はその主犯を素通りして既婚世帯へ流れている。今回はこの構造を、人口学と財政学で解剖する。

▼ 章立て
00:00 導入:予算は増えた。子どもは減った
00:38 ① 出生数を3つに割る(夫婦の数 −14% vs 結婚の数 −56%)
04:18 ② ベッカーの「量と質」と、閉じた婚姻ゲート
06:18 ③ 7.3兆円は、どこへ流れているか(山場)
08:36 ④ 設計された的外れ(可視性が資源配分を決める)
09:42 ⑤ 想定反論:人口が減ったからでは説明できない
11:24 ⑥ 誰が黙認してきたのか

▼ 主な数字と出典
・出生数 約68万6000人/合計特殊出生率 1.15(2024年・ともに過去最低)→ 厚生労働省 人口動態統計
・こども家庭庁予算 7.3兆円(過去最大)→ こども家庭庁
・完結出生児数 2.20人(1972)→2.23人(2002)→1.90人(2021、−14%)→ 国立社会保障・人口問題研究所 出生動向基本調査
・婚姻件数 109万9984組(1972ピーク)→約48万5000組(2024、−56%)→ 厚生労働省 人口動態統計
・50歳時未婚率(男性)2.60%(1980)→28.25%(2020)→ 社人研(国勢調査ベース)
・「いずれ結婚するつもり」男性81.4%/女性84.3% → 社人研 第16回出生動向基本調査
・婚外子割合 日本2.3%(2021) vs フランス約6割・スウェーデン5割超 → こども家庭庁/OECD
・こども未来戦略 加速化プラン3.6兆円(2023年12月閣議決定)→ 政府
・給付金1%増でも出生率上昇は0.1〜0.2%/25〜29歳女性未婚率 18%(1970)→66%(2020) → 八代尚宏・鈴木亘、内閣府経済社会総合研究所『経済分析』第211号
・Becker (1973) “量と質” → Journal of Political Economy

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