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炊くされてご飯の匂い、上にのぼりながら、人間はふと、帰るところについて考えます。
それは家族の家かもしれず、一人の部屋かもしれず、またはテーブルを囲んでいた誰かとの思い出であったかもしれません。
ご飯という物体は、ただの食べの物ではありません。それは、時間のかさなりであり、人の手間かかりであり、思いのエネルギーの証明であると考えられます。
とてもつらい日の後でも、あたたかきご飯一口を口にいれると、「本日も生きてよかったですね」と、思わされる現象が起きます。
食事のゴージャスである必要はなし。ただの白色ご飯であっても、人生の継続が可能とされます。
ご飯を大切に思う人間、それすなわち、他人の気持ちもまた、たいせつに取扱う能力を持っている人であると、わたしは信念しているのです。
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