原発処理水の対応は 西村経産相 政治資金問題で事実上の更迭 福島県の漁業関係者は風評払拭の継続望む (23/12/14 18:35)

原発処理水

12月14日は国政で大きな動きがあった。政治資金パーティーを巡る問題で、自民党安倍派の閣僚4人が更迭された。処理水の海洋放出を担当する経済産業大臣も交代。海洋放出が始まって4カ月、福島県の漁業関係者からは風評を抑える取り組みの継続を望む声が聞かれる。

「(カランカラン)はい、入札~!」
福島県いわき市の勿来漁港。14日朝もヒラメやマダイなど、新鮮な「常磐もの」が水揚げされ、競りが行われていた。

福島第一原発で処理水の海洋放出が開始されてもうすぐ4カ月。これまで3回に分けて2万トンを超える処理水が薄めて海に放出された。放出開始に向けて、漁業関係者などと面会を重ねてきたのが西村経済産業大臣だ。
「約束でありますので、『関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない』という方針は順守します。福島の皆さんの気持ち、きょうの皆さんの気持ちに寄り添いながら進めたいと考えているところであります」と当時話していた西村大臣。
放出開始後の今年8月28日、常磐ものを試食した際には、「身が引き締まっていますね。少し脂がのっていた感じがあります。漁師の誇り、思いを噛みしめていただきたいと思います」と話していた。それまで処理水の海洋放出について、安全対策や風評対策などの取り組みを説明し、理解を求めていた。

自民党の安倍派が政治資金パーティーの収入の一部を裏金化していたとみられる問題で更迭された4人の大臣。西村大臣もその一人で、14日辞表を提出した後、退任にあたっての思いを口にした。

退任会見する西村大臣:「やり残した政策っていうのは、数え上げればキリが無い位にありますけれども。エネルギー政策・GX政策、いよいよこれから本格的に実行していく段階という中で、非常に残念な思いを持っております」
ただ、会見の中で処理水の海洋放出について触れることはなかった。

「結局は話も慣れてるしさ、いきなり会うよりは、俺らも顔知ってるし、挨拶もしたしさ。本当ならばね、そういう人の方が物は言いやすいしさ。あんまりよろしくないよね、コロコロ変わってもらうのは」と話すのは、いわき市漁協勿来支所長の芳賀文夫さん。これまで西村大臣と直接会って海洋放出について意見を交わしてきた。

芳賀文夫さん:「処理水は今のところ、魚に対しての影響はほとんどないんじゃないのかな。おいらが最初思ってたよりは全然いいよ。それなりにはしてくれてたと思うよ」

今のところ、海洋放出に伴う影響はほとんど感じていないことから、西村大臣が果たしてきた役割をある程度評価していて、次の大臣の対応にも期待している。

芳賀文夫さん:「ちゃんとあと継いでやってもらわないとね。(魚の)値段おかしくなったってなったら、誰のせいだってなっちゃうから、そこらへんは引き継いでやってくれれば」

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