「核の番人」IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長。3月13日、8カ月ぶりに福島県内を訪れ、福島第一原発で行っている処理水の海洋放出に今後も協力すると改めて約束した。
3月12日来日したIAEAのグロッシ事務局長。
13日は、まず福島県いわき市を訪れ、国や県などの行政機関そして漁業関係者などが福島第一原発の汚染水や処理水について話し合う会議に出席した。
2023年8月に始まった福島第一原発での処理水の海洋放出。
IAEAは、約2年にわたって安全面について調査し、「国際的な安全基準に合致する」などとお墨付きを与えていた。
2023年7月には、この会議の場で「IAEAは処理水の最後の1滴が安全に放出し終わるまで、福島のこの地に皆さんと一緒に居続ける」と約束。
処理水の海洋放出が始まって約7カ月、そして4回目の放出が行われている今、口にした言葉は…「濃度が低いということもわかっております。そして、予想としては、極めて低い濃度という結果が今後も提案通りのプロセスが続くのであれば、濃度が低いままであろうと考えております」とグロッシ事務局長は語った。そして、今後も継続して協力すると改めて約束した。
南相馬市の門馬市長は「第三者機関で評価されていると安全が確認されているということに対しての、安心ですね。気持ちの部分でもだいぶプラスになっていると思いますので」と話した。
グロッシ事務局長は福島第一原発も訪問。
異常があった時に放出を止める「緊急遮断弁」など処理水の海洋放出に関わる設備を視察し、東京電力の小早川社長と意見を交わした。視察後、IAEA・グロッシ事務局長は「(IAEAが放出されている水を分析した結果)トリチウムの値も我々が想像していたよりも低いので、まだ道半ばだが、大変勇気づけられる値だと思う」と話した。
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