福島第一原発で処理水3回目の放出始まる 東京築地でのアンケートで心強いデータも (2023年11月2日)

原発処理水

福島第一原発の処理水について東京電力は、3回目の海への放出を始めました。
8月から始まった放出で、海水や水産物に問題のある値は出ておらず、魚介類の価格にも変化は見られていません。
ただ、漁業関係者は緊張感を持ち続けて作業に臨むよう求めています。

■箕田竜也記者
「上空からは作業員らの姿が見えます。現在3回目となる処理水の海洋放出が行われていると思われます。」

11月2日午前10時21分、東京電力は3回目の処理水の放出を始めました。
17日間かけて約7800トンが放出されます。
8月24日に始めた1回目、10月5日に始めた2回目の放出で海水や水産物のトリチウム濃度に問題のある値は出ていません。

漁協などによりますと魚介類の価格に変化は見られていないといいます。

■寿司れすとらん小太郎
こちらは、いわき市小名浜の飲食店です。
Q「水揚げはどちらなんですか?」
■寿司れすとらん小太郎 鈴木正継社長
「豊間(いわき市)。」
地元の新鮮な「常磐もの」を使った料理が売りです。

処理水の放出から2か月あまり、当初懸念されていた、消費者の受け止めはポジティブなものに変わっていると話します。
■鈴木正継社長
「福島の魚を応援しようという方も多くて、ランチとかで食べにきてくれるお客さんが結構います。」

一方で、先日、福島第一原発の作業員が放射性物質を含む水を浴びる事故があったばかり。処理水の放出では、どんなトラブルも無いようにと安全な作業を求めます。
■鈴木正継社長
「きちっとした情報を発信して頂いて、緊張感をもって持続してほしいです。」

3回目の放出量はこれまでと同じ7800トンで、今年度中に3万1200トンの処理水が4回に分けて海へ放出されます。

3回目の放出が始まりましたが、福島県民として心強いなと感じるデータがありますのでご紹介します。

福島県漁連が10月14日に東京・築地で開いたイベントで全国の男女801人にとったアンケートの調査結果です。
福島県産の魚が売られていたら購入しますか?という問いに対し…なんと、99%の方が「はい」購入します、と回答しました。

その理由もみると「はい」購入しますと回答した人789人のうち、美味しいから45%、支援と思いが14%、産地は気にしていないが32%です。

一方で、「いいえ」購入しないと回答した人10人のうち、母数は小さいですが不安だからが40%、安全ではないと思うからが10%などとなりました。

こうした応援があるからこそ心配なのが事故やトラブルです。
第一原発では、処理水の放出作業とは直接関係はないものの、10月に第一原発の作業員が放射性物質を含む液体を浴びる事故がありました。
さらに、液体の量を当初発表した100ミリリットルから数リットルに、作業員の構成などと合わせて訂正する事態となりました。

こうした一連の問題に対し、原子力規制委員会の山中委員長は、11月1日の会見で「運転管理に手落ちがあった」と批判したうえで、液体を浴びた作業員が本来着用すべき防水コートを着ていなかったことに触れ「東電による教育・訓練が不十分だった」と指摘しました。

処理水の放出が始まって以降、福島を応援する機運に水を差さないよう、正しい情報発信と誠実かつ緊張感をもった対応を続けて欲しいと思います。

<記事はこちら>
https://www.fct.co.jp/news/area_news_3554

コメント

タイトルとURLをコピーしました