福島第一原発の処理水の海洋放出が始まってから、10月24日で2か月です。
心配された福島産への大きな風評被害は、これまでのところ確認されていませんが、中国の輸入禁止措置の影響は深刻で引き続き、厳しい局面が続いています。
福島第一原発にたまる処理水の海洋放出が始まって2か月です。
東京電力は23日までにタンク15基分にあたる1万5000トンあまりの処理水を海に放出。これまでのところ周辺の海水などのトリチウム濃度に異常な値は見られていません。
この海洋放出に伴い、最も心配されたのが福島への風評被害です。
相馬市にある「浜の駅松川浦」です。
■浜の駅松川浦 田辺長行さん
「(売り上げへの影響の)心配はあったが、おかげさまで少しずつ伸びています」
福島産を応援したいという声が強く当初の心配をよそに、ここまで売上は好調だと言います。
そして相馬で取れた魚を中心に提供する食堂には開店前から行列ができています。
中にはわざわざ福島県外から訪れる人もいます。
■栃木県からの客
「おいしかったです、地魚がすごい。(処理水について)いろいろ海外の対応が残念だが、全然自分は気にしない」
Q記者(福島の水産物を)応援したい気持ちも?
「すごく思います、なのでそこで買って帰ろうかなと思います」
浜の駅松川浦では9月に処理水放出に対する消費者の意識を調べるため、イベントを訪れた約300人を対象にアンケートを行いました。
■浜の駅松川浦 田辺長行さん
「海洋放出が開始されたが、不安があるかというということで『ない』という方が約7割。ほぼほぼ大きな不安があるという方がいなくて、安心しました」
処理水の海洋放出に不安があるかという問い対しては約7割が「ない」と回答。
また、相馬の水産物を食べることへの抵抗感については9割が「ない」とし、海洋放出の影響は少ないという結果がわかりました。
■浜の駅松川浦 田辺長行事務長
「(処理水の放出は)長期にわたると思うので、我々としてもできる限り情報発信をしていきたい」
浜の駅松川浦は、今後も地元の魚介類のおいしさと安全性のPRに力を入れていく考えです。
ただ、処理水放出を厳しく非難する中国の日本産水産物への輸入禁止措置は深刻で、中国税関総署が10月18日に発表した9月の貿易統計では、中国が日本から輸入した水産物の総額がゼロとなりました。
中国では8月の輸入額も前の年の同じ月に比べて67.6パーセント減っていて、金額にすると日本円で約30億円と、依然厳しい状況が続いています。
福島を応援したいという国内の反応は、福島県民としてうれしく感じる一方で、中国の輸入禁止措置の影響は心配です。
ロシアも中国の措置に加わるとされています。
ロシアへの輸出量は少ないとされ影響は限定的と見られていますが、引き続き政府の外交努力が求められます。
<記事はこちら>
https://www.fct.co.jp/news/area_news_3451
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